日本語学校インタビュー|新東方日本語学校について副校長に直撃インタビューしてきました!
今回は東京都板橋区、上板橋駅から徒歩7分の場所にある「新東方日本語学校」に潜入して取材をしてきました!(※取材日: 2024年6月24日)
今回インタビューにご協力いただいたのは副校長の永塚 和英 先生です。学校や教育の特徴について聞いてきました。
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永塚先生、よろしくお願いいたします!
よろしくお願いします。
新東方日本語学校について教えてください!
まず、新東方日本語学校について教えてください!
新東方日本語学校は、中国の大手教育企業のグループ会社が運営する日本語学校です。
在籍学生は、今は全学生が中国籍になっています。
学生募集も、中国国内の母体が行っています。
中国籍の学生さんが100%なんですね!
学生さんの特徴を教えてください!
学生は高等教育機関への進学を目的に勉強しています。
学生の8割から9割が大学、1割が大学院への進学を目指しています。
理系の学生が多く在籍しているのが当校の特徴の1つです。
学校や教材の特徴について教えてください!
新東方日本語学校は進学目的の学生がメインとのことですが、どのような授業や教材の特徴があるか教えてください!
当校は、「つなぐ日本語」という教科書を使用しています。
お話しした通り、大学・大学院に進学する学生がほとんどです。
JLPTや試験で良い結果を残しても、面接で伝えたいことを話せず受験に失敗してしまう、ということが起きないよう、面接で対応できる会話力を伸ばせる「つなぐ日本語」を選びました。
「つなぐ日本語」の内容をもとに、輪になって会話の練習をしてみるとか、ロールプレイでやってみるといった授業は、当校の特徴だと思っています。
「つなぐ日本語」を使用しているのはなぜでしょうか。
座学での学習はグループの塾でも補っていけるというところで、先ほどもお話ししたのですが、面接で話せる力、会話力を伸ばしていきたいと思い、「つなぐ日本語」を使用しています。
他に「できる日本語」などもあると思うんですが、私と前の主任で「つなぐ日本語」を作っているヒューマンアカデミーさんに授業見学に行って、テキストを作った先生にもお話を聞かせていただき、「つなぐ日本語」を使用することを決めました。
お話を伺って得たノウハウを当校の方で浸透させていきたいと思っています。
ありがとうございます!
昨年に体制が変わったとのことで、課題などはありますか?
そうですね。
新規校と同じような状態ですので、テキストの使い方や、講師同士の方向性の足並みを揃えきれていない点が課題だと思います。
テキストの使い方や学生指導、運営など、まだまだ改善できるところがありますので、意思疎通をしっかりしていきたいです。
足並みを揃えるといった点で、何か工夫している点はありますか?
「つなぐ日本語」の授業で使っていただくパワーポイントなど、授業内で絶対にやっていただきたいものに関してはこちらがすべて揃えています。
テストやプリントも基本的にこちらで準備をしています。
それ以外に講師が必要だと思う教材は準備していただいています。
教具に関してはいかがですか?
授業でiPadとペンシルを取り入れており、活用しています。
iPadの操作に慣れていないという方もいらっしゃるとは思いますが、活用できるようにサポートしています。
まだ力を入れられていない部分はありますが、ハード面・ソフト面でできる限りICTに対応していきたいと思っています。
一緒に働きたい先生について教えてください!
新東方日本語学校が求める日本語教師像について教えてください!
現在20代〜60代の先生にご活躍いただいています。
20代・30代の先生が半分以上を占めています。
なるほど。業界の中でも若い方が多いんですね。
そうですね。若い講師が多いですが、日本語教育業界での経験問わず、社会人経験を持っている講師が多いです。
少しでも社会人としての経験を持っている方と一緒に働けると心強いですね。
中国籍の学生が多いので、中国籍の方で働きたい!という方は日本語教育に関する専門性を有しているとありがたいです。
校内の様子について教えてください!
校内の様子について教えてください!
職員室に学生さんはよく来られるのでしょうか?
職員室は、学生が質問しやすい環境は整っています。
そうなんですね!
進路相談は先生方が担当されているのでしょうか?
進路相談で言うと、ほとんどグループの塾におまかせしている状況になります。
ただ、もちろん塾と役割を分ける中で、当校でも進路指導や面談を通じて希望進路を聞いたり、アドバイスをしています。
そのような業務は、基本的に担任の業務となっていて、現在担任は専任講師がやっています。
今後はその進路指導も、担任も含めて非常勤の先生にもお願いしたいと思っています。
当校は100%が中国からの学生ですが、アルバイトをしている学生がいないので、そのようなアルバイト指導の必要がないことも働き方の特徴の1つかもしれません。
ありがとうございます!
カウンセリングなど心理面のサポートにも力を入れているのでしょうか?
私たちの方でできるだけ話を聞くように心がけています。
ただ、専門家ではないので、必要に応じて病院の紹介などをしています。
専任講師の1人が心理面について詳しく、半年毎に専門的な研修をお願いしています。
ある程度の知識を講師全員が持っている状態なのは強みです。
永塚副校長について教えてください!
永塚副校長が、日本語教育に関わり始めたきっかけを教えてください!
ゼミの先生の奥様が日本語教師で、就職活動中にゼミの先生にアドバイスをもらっている中で、日本語教師の仕事を紹介されまして、実際に奥様にお会いしてお話を聞き、やってみたいなと思ったのがきっかけです。
大学で日本語教育を専門に勉強していたわけではなかったので、卒業後に日本語教師養成講座に通いました。
養成講座を修了した後、すぐに日本語学校で勤務し始めました。
そうなんですね!
長く日本語教育に携わっていらっしゃると思うのですが、携わる中で、どのような時にやりがいを感じられますか?
そうですね、卒業後に発表会などを見に行って彼らの成長を見れることが一番嬉しいところかなと思います。
日本語学校で働いている間の楽しみ、やりがいとしては、やはり卒業までに日本語力や会話力が成長することですかね。
初級を指導していた学生と上級のクラスで久しぶりに会って、成長しているのを見ると嬉しいですね。
今後の日本語教育についてどう思われますか?
日本語教師の国家資格化が進んでいるなど、日本語教育の業界は過渡期にあると思いますが、今後の日本語教育はどのようになっていくと思われますか?
そうですね、このままだと担い手不足で日本語学校が減っていくのかなと思います。
現職の方がお辞めになって、日本語教師の資格を持っている方が減る、という状況になってくると、先生の取り合いになっていきます。
その競争から取り残された学校は畳むしかないのかなと。
たしかに。永塚先生のお話を伺って、学びたい学生がいても、学校が無いという状況が起きかねないなと思いました。
解決策ではないですが、日本語教師や日本語学校が減っていくという課題に向き合うために、永塚先生が考えていらっしゃることはありますか?
やはりやりがいを持って「日本語教師になりたい!」と思ってくれる方を増やすことが必要なのかなと思います。
そのためにも、小中高などの義務教育課程に通っている子どもたちに、「日本語教師」という職業を知ってもらうこと、日本語教師という職業に憧れを抱いて働く先生が増えて欲しいなと思います。
あとは、ギャップの埋め合わせも重要ではないでしょうか。
と言いますと?
どうしても自分が日本国内で関わってきた日本の学生や生徒をイメージして日本語教師になる方もいらっしゃいます。
ただ、授業の受け方などは日本の学生と日本語学校の学生で違うところがあります。
そのようなところで思い描いていたこととのギャップが生まれるのではないかと思います。
なるほど。
あとは、授業のギャップもあると思います。
日本語学校の勉強を英会話と近しいものを想像される方も多いと思っていまして。
そうなると文型を丁寧に教えるというのはイメージと違うのかなと思います。
新人の日本語教師に向けてコメントをお願いします!
どうしても教師自身の力ではコントロールできないことも多いと思うのですが、新人/未経験の日本語教師の方や、インターン生の方に対してコメント・アドバイスなどいただけますか?
そうですね。
「比較しない」ということは重要だと思います。
日本の学生や自身と比較をされる新人の先生が多い気がします。
今まで経験したことがないことを寛容に受け入れて、その上でどう指導していくか、という頭の切り替えが必要だと思います。
新東方日本語学校 まとめ
所在地 | 〒174-0076 東京都板橋区上板橋3丁目19−11 ※ 東武東上線 上板橋駅より 徒歩7分 ※ 池袋駅から準急で7分 |
在籍学習者 | 中国 |
教育設備 | ・iPad ・テレビ ※ パワーポイント使用可能 |
取材させていただきました、永塚副校長、また学校のご関係者のみなさま、本当にありがとうございました!
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