日本語教師として内定したら、入社までに何を準備すればいいでしょうか。
「先日、日本語学校から内定をもらった。入社までにすることはある?」
「入社まで2カ月。何から準備すればいいか分からないので不安。どうすればいい?」
このように思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
本記事では「日本語教師が内定から入社までに準備すること」を分かりやすく解説。
内定が出るまでの期間についてもお話していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。
日本語教師の内定が出るまでの期間はどのくらい?
内定から入社までのお話しをする前に、まずは日本語教師の内定にどれくらいの日数がかかるのかを確認しておきましょう。
日本語教師の内定までの流れ
一般的な日本語教師の内定までの流れは下記の図のようになります。
ステップ1は応募書類の送付です。
応募書類には履歴書、職務経歴書、日本語教育経歴書、日本語教師資格を確認するための書類などがあります。
履歴書ですが、企業や日本語学校から指定された書式がある場合はそれに従ってください。特に指定されていなければ、記載すべき事項を盛り込んで書類を作成すれば大丈夫です。
履歴書内に記載すべき項目としては、氏名、年齢、住所、学歴、職歴、取得した資格、趣味、希望する職種、勤務時間、通勤時間、特技や趣味、志望理由などがあります。
履歴書の書き方について確認しておきたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
職務経歴書ですが、基本的には自由形式となっているところが多いです。
学校によってフォーマットが決まっている場合は応募の際に指示があるかと思いますので、学校規定の書式に従って作成しましょう。
異業種から日本語教師になる場合は、職務経歴書を提出します。
日本語教育経歴書は、日本語教育業界での経験がある人が提出する、言わば、日本語教育業界の職務経歴書です。
日本語教育業界に転職するのが初めての方、新卒で日本語教育の職歴がない方に関しては、日本語教育経歴書を提出する必要はありません。
職務経歴書、日本語教育経歴書についてはこちらの記事で解説しています。
日本語教師資格を確認するための書類については、420時間日本語教師養成講座修了証、日本語教育能力検定試験合格証、大学での日本語教育主専攻・副専攻の卒業証明書や単位習得証明書のコピーを提出します。
応募書類を送付してから、模擬授業や面接などの一次選考に進めるかどうかの結果が分かるまでは約1週間から2週間、一次選考の日時が決まるまでは約1週間かかることが多いです。
ステップ2は模擬授業や面接などの一次選考です。
学校によって、同日に模擬授業と面接を行うところもあれば、模擬授業と面接を分けて行うところもあります。
また、模擬授業と面接の順番ですが、模擬授業→面接、面接→模擬授業、どちらの場合もあります。
模擬授業が先に行われる場合は、模擬授業で使用するデータや教具(pptや絵カードなど)をスムーズに取り出せるように準備しておいたほうがよいです。
まれに、準備した模擬授業のデータが消えたというようなトラブルが発生します。
このようなことが起らぬよう、模擬授業では、万が一を想定し、データをUSBなどの外部データに保存する、当日に使用するpptを事前に日本語学校へ送っておくなどの工夫が必要です。
模擬授業での注意点については、こちらの記事で解説しています。
面接では、志望動機について必ず聞かれます。
他の業界から日本語教育業界にキャリアチェンジをした異業種転職の場合、志望動機については同業種転職よりも突っ込んで聞かれます。
面接では、履歴書の志望動機欄に記入した内容を完璧に説明できるよう、あらかじめ練習しておきましょう。
志望動機についてはこちらの記事で解説しています。
一次選考が終わってから、次の選考に進めるかどうかの結果が分かるまでは約1週間から2週間かかることが多いです。
非常勤講師、常勤講師の急募の求人などは、一次選考後から数日で内定通知が出ることもあります。
内定が出るまでのフローは応募先によって異なりますが、応募から内定まで約1カ月かかると想定しておいたほうがよさそうです。
日本語教師が内定したら入社までに準備することは?
ここでは、未経験者・経験者別に、内定から入社までに準備しておくことについてお話ししていきます。
未経験者が入社までに準備しておくこと①:教案の作成
未経験者が入社までに準備しておくとよいことの1つ目は「教案の作成」です。
日本語教師養成講座で学んだ方はご存知かと思いますが、日本語教師は、通常、授業を滞りなく進めるために教案(授業案)を作成します。
教案作成時には以下の項目を必ず盛り込みましょう。
- 担当教師名
- 授業実施日(年月日)
- 担当クラス(クラス名、人数)
- 使用教科書(教科書名、実施する単元)
- 文型(学習項目)
- 授業目標(can-do)
- 授業時間(活動場面ごとに)
- 活動・板書(教師と学生の台詞)
- 教具(絵カードなど)
日本語学校は多くの場合、初級(JLPTN5からN4程度)、中級(JLPTN3程度)、中上級(JLPTN2程度)上級(JLPTN1程度)、超級(JLPTN1以上)というふうに、クラスごとに日本語レベルが分かれています。
特に、初級レベルの学生に教える時は、習っていない語彙は使ってはいけない、習っていない文型は使ってはいけないという暗黙のルールがあります。
未経験の先生が教える場合、経験を積んでもらうという点から、多くの学校では、初級レベルを担当してもらうことが多いはずです。
教案をあらかじめ作っておけば、入社後の授業準備にも余裕が持てます。
未経験者が入社までに準備しておくこと②:検定試験の勉強
未経験者が入社までに準備しておくとよいことの2つ目は「検定試験の勉強」です。
日本語教育能力検定試験は “日本語学習者の多様なニーズに応じた日本語教育を行おうとする方に必要とされる基礎的な知識・能力を検定することを目的としている” 試験です。
「日本語学習者の多様なニーズ」とあるように、学習者が日本語を学ぶ目的はそれぞれ異なります。
検定試験では、社会・文化・地域、言語と社会、言語と心理、言語と教育、言語の5つの区分、それらを細分化した全50項目から、日本語教師に必要とされる基本的な知識や能力が問われます。
年1回開催の試験なので、合格するためには相応の準備が必要です。
入社前の比較的時間があるうちに、検定試験に向けて準備をしておくとよいかと思います。
また国家資格化に向けて、資格取得支援をしてくれる学校も増えています。
資格取得支援がある学校については、下記ページをご確認ください。
経験者が入社までに準備しておくこと①:教案の整理
経験者が入社までに準備しておくとよいことの1つ目は「教案の整理」です。
ベテランや中堅の先生は、初級から上級レベルまで、どのレベルの学習者も一通り経験されている方が多いかと思います。
担当クラスのレベルがあらかじめ分かっている場合は、ぜひ入社前に教案の整理をしておくことを強くおすすめします。
経験者が入社までに準備しておくこと②:教材研究
経験者が入社までに準備しておくとよいことの2つ目は「教材研究」です。
担当クラスのレベル、教科書や問題集などの使用教材が分かっている場合は、それらを一通り見ておくことをおすすめします。
日本語の教科書や問題集は、学習者のレベル別、学習者の目的やニーズ別、学習者の4技能スキル別、学習者の使用言語別などに応じたさまざまなテキストがあります。
教材研究は地道ながら、学習者指導へ直結する大事な作業です。
まとめ
本記事では「日本語教師が内定から入社までに準備すること」について解説してきました。
日本語教師の内定が出るまでの期間は….
- 応募書類送付後から結果が出るまで:約1週間から2週間
- 一次選考(模擬授業・面接)の日時が決定するまで:約1週間
- 一次選考(模擬授業・面接)終了後から内定まで:約1週間から2週間
日本語教師が内定したら入社までに準備しておくことは….
- 未経験者の場合:教案の作成、検定試験の勉強
- 経験者の場合:教案の整理、教材研究
万全の準備をしておくことで、入社後に良いかたちでスタートが切れます。
みなさんが新たな勤務先でご活躍できるよう、心より応援しております。