日本語教師の職務経歴書や日本語教育経歴書には何を書けばいいかご存知ですか。
「日本語教師の職務経歴書には具体的に何を書けばいいの?」
「日本語教師の職務経歴書と一般的な職務経歴書は何か違いがあるの?」
このように思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
本記事では「日本語教師の職務経歴書(日本語教育経歴書)」を分かりやすく解説。
日本語教師の職務経歴書や日本語教育経歴書を書く際にアピールすべき点についてもお話していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。
職務経歴書(日本語教育経歴書)に何を書くか確認しよう
日本語教師に転職する場合、他の業界と同様に、履歴書と職務経歴書をそれぞれ提出する必要があります。
まずは、履歴書と職務経歴書の違いについて確認しておきましょう。
履歴書と職務経歴書の違い
「履歴書」は応募者の個人情報を明らかにするための書類です。
履歴書に記載する項目としては、氏名、年齢、性別、住所、学歴、職歴(略歴)、取得した資格、趣味、応募先で希望する職種、勤務時間、通勤時間、通勤経路、家族関係、志望理由などがあります。
履歴書の書き方については、下記の記事をご一読ください。
「職務経歴書」は履歴書の職歴を具体的に記していくための書類です。
職務経歴書に記載する項目としては、これまでの勤務先、勤務先での業務内容、勤務先での業績や成果などがあります。
アルバイト経験を職務経歴書に記載すべきかどうかですが、日本語教育関連のアルバイト経験があるなら記載しましょう。そうでなければ記載する必要はありません。
職務経歴書と日本語教育経歴書の違い
「日本語教育経歴書」という書類があるのをご存知ですか。
日本語教育経歴書は、言わば、日本語教育業界における職務経歴書で、日本語教育業界歴が長い人、日本語教育経験がある人が提出する書類を言います。
日本語教育業界に転職するのは初めてという方、新卒で日本語教育の職歴がないという方は日本語教育経歴書を提出する必要はありません。
それでは、以下、日本語教育経歴書に記載すべき項目について解説していきます。
日本語教育経歴書に記載すべき項目①:教育機関と勤務期間
日本語教育経歴書は、履歴書のように決まったフォーマットがあるわけではありません。
決まったフォーマットはないのですが、日本語教育経歴書に記入すべき項目というものがあります。
まず日本語教育経歴書に記入すべきなのが「教育機関」「勤務期間」です。
「教育機関」は通称ではなく正式名称を記入してください。勤務先が株式会社の場合は、記入する際に前株か後株かに注意しましょう。
また、教育機関の欄には「職員数」「学生定員数」「学生の主な国籍」「学生の主な進路先」も記入します。
「学生定員数」について、日本語学校は学生定員数(収容人数)が学校の規模によって異なっており、100名未満の小規模校もあれば、1000名を超えるマンモス校もあります。
「学生の主な国籍」も重要で、どの国籍の学生に指導してきたのか、直接法と間接法どちらで指導してきたのか、英語や中国語など使用できる言語は何かなどが確認できます。
「学生の主な進路先」ですが、大学院進学、大学進学、短大進学、専門学校進学者の人数を記載するとよいかと思います。
「勤務期間」は履歴書の職歴欄に記載した年月を書けば大丈夫です。
日本語教育経歴書に記載すべき項目②:雇用形態と業務内容
「雇用形態」「業務内容」も日本語教育経歴書に記入すべき項目です。
「雇用形態」には常勤講師または非常勤講師と書きます。
「業務内容」は「担当授業」「担当クラスのレベル」「教務運営」「校務運営」などが該当します。
「教務運営」はカリキュラム作成、非常勤講師への授業引継ぎなど、授業に関係する事務業務を指します。日本語学校では、教務職員と事務職員で業務内容が分かれています。
「校務運営」は学校全体の業務を指します。校務運営の中に教務運営が含まれていると考えていただければよいかと思います。
日本語教育経歴書に記載すべき項目③:日本語使用教材
「日本語使用教材」も日本語教育経歴書に記入すべき項目です。
先の業務内容の担当授業欄に書いていただいてもいいですし、日本語使用教材だけを分けて書いてもいいと思います。
日本語使用教材の欄には、初級、中級、上級別に使用した教科書名、教材名を書きます。
進学校で教えた経験があるならば、EJU対策で使用した教科書名や教材名、JLPT対策で使用した教科書名、教材名を書きましょう。
ビジネスマンに指導した経験があるならば、ビジネス日本語に特化した教科書名や教材名を書きましょう。
以上、日本語教育経歴書に記載すべき代表的な項目についてお話しました。
職務経歴書(日本語教育経歴書)を書く際は何をアピールすればいい?
ここでは職務経歴書や日本語教育経歴書を書く際に、年代、転職、雇用形態、役職別に何をアピールすればいいかについてお話ししていきます。
みなさんが何歳で、どのような転職をし、どのような雇用形態で、どのような役職に応募される予定なのか、ぜひご自身に当てはめながらお読みいただければと思います。
年代の場合
年代ですが、日本語教育業界は、20代から60代以上まで幅広く募集している学校が多いです。
大学を卒業して新卒で応募する20代、日本語教育業界に転職する30代、40代、50代、リタイア後に応募する60代以上もいます。
どの年代でも「外国人に日本語を教えたい」という熱い思いを持っている方ばかりです。
ただ、この業界は経験者が採用される傾向にあります。
未経験の場合は、日本語教師養成講座修了、日本語教育能力試験合格など日本語教師資格を取得済みであることをアピールしましょう。
ボランティア活動など、これまでに国際交流や留学生サポート、地域の日本語教室の経験がある方は、それを書いてもよいと思います。
経験者の場合は、日本語教育経歴書に職歴の詳細を記入していきます。
転職の場合
転職ですが、他の業界から日本語教育業界に転職する異業種転職の場合は、日本語教育経歴書に書けることがないと思いますので、職務経歴書と履歴書を提出しましょう。
異業種転職の履歴書には、日本語教師になりたいと思うようになった背景、外国人との交流経験、留学経験など、日本語教師を目指すまでの過程を明確にアピールできるとよいと思います。
同業種転職の場合は、日本語教育経歴書にこれまで携わってきた業務内容について具体的に書いていけば充分です。
雇用形態の場合
雇用形態ですが、日本語教師経験がある常勤講師や非常勤講師は、日本語教育経歴書と履歴書を提出しましょう。
非常勤講師で、他の日本語学校と掛け持ちを希望する場合は、その旨を履歴書の本人希望欄に書きます。
異業種から常勤講師、非常勤講師に応募する場合は、日本語教育経歴書ではなく職務経歴書を提出します。
役職の場合
役職ですが、日本語教育歴がある一般社員(常勤講師)や管理職(教務主任以上)は日本語教育経歴書と履歴書を使用します。
一般社員(常勤講師)も管理職(教務主任以上)も、前職で常勤講師をされていたという方が大半かと思います。
経験者は、日本語教育経歴書内にこれまでどんな業務に関わってきたのか、どんな役職に就いていたのかを詳細にわたって記載していきます。
まとめ
本記事では「日本語教師の職務経歴書(日本語教育経歴書)」を解説してきました。
履歴書、職務経歴書、日本語教育経歴書の違いは….
- 履歴書:応募者の個人情報を明らかにするための書類
- 職務経歴書:履歴書の職歴を具体的に記していくための書類
- 日本語教育経歴書:日本語教育業界における職務経歴書
日本語教師が日本語教育経歴書に書くべき代表的な項目は….
- 教育機関(教育機関名、職員数、学生定員数、学生の主な国籍、学生の主な進路先)
- 勤務期間
- 雇用形態
- 業務内容(担当授業、担当クラスのレベル、教務運営、校務運営)
- 日本語使用教材
日本語教師が職務経歴書や日本語教育経歴書を書く際にアピールすべきことは….
- 年代:年代を問わず応募可能、未経験から応募する場合は日本語教育資格を持っていることをアピールする
- 転職:異業種転職の履歴書には日本語教師を目指すまでの過程をアピールする、同業種転職は日本語教育経歴書にこれまで携わってきた業務内容をアピールする
- 雇用形態:常勤講師も非常勤講師も日本語教育経歴書でアピールする
- 役職:一般社員(常勤講師)や管理職(教務主任以上)も日本語教育経歴書でアピールする
職務経歴書や日本語教育経歴書は、あなたをアピールするための大切な書類です。
面接や模擬授業に進めるかどうかも、職務経歴書や日本語教育経歴書を丁寧に書けるかどうかにかかっています。
渾身の思いを込めて、ぜひあなただけの職務経歴書、日本語教育経歴書を完成させてくださいね。